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  • 2010.06.19 Saturday
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なぜイチローは、この男に語り続けてきたのか(Business Media 誠)

 イチロー選手は世界中にいる野球選手の中で、突出した存在だと思います。今の球界に、彼の領域に達した選手はほとんどいません。だからこそ、彼でなければ感じられないこと、彼でないと語れないことがあるんです。彼は、そういうものをボクに“体験”させてくれました。

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 イチロー選手と同じ時代に生き、そしてジャーナリストとして話を聞くことができる――。この仕事を選んだからといって、簡単に味わうことのできない喜びを、彼には堪能させてもらっていると思います。

――ベースボールジャーナリスト・石田雄太。イチロー選手を10年以上追いかけている彼は、2010年4月に『イチロー・インタヴューズ』(文春新書)という本を刊行した。インタヴューに費やした時間は100時間以上。イチロー選手といえばメディアに対し、あまり多くを語ろうとしないイメージがあるが、なぜ石田には胸の内を明かし続けてきたのか。一流アスリートを追いかけてきた男に、迫った。【土肥義則,Business Media 誠】

 小学3年生のときに父親に連れられて、大洋ホエールズと中日ドラゴンズのオープン戦を見に行きました。それが初めての野球観戦だったのですが、球場の熱気に圧倒されて、それからはプロ野球にのめり込みました。プレーすることよりも、観ることに興味をそそられたのです。フェンスの向こう側に選手がいて、その中に普通のおじさんたちがいた。そのおじさんたちが選手と親しげに話しているのを見て、「誰なんだろう?」と思ったんです。父親に聞いてみると、おじさんたちの正体は「記者」。すぐに「将来は野球の記者になりたい」と思いました(笑)。

 以降、「野球の記者になりたい」という気持ちは変わりませんでした。就職活動はスポーツ新聞をはじめ、球場に出入りできそうなマスコミ関係の会社をいくつも受けて、結果、NHKに内定をいただきました。入局後は、まず地方に勤務すると思っていたのですが、東京のスポーツ報道センターに配属されました。ディレクターとしてプロ野球やメジャーリーグ、大相撲などを担当させていただき、仕事が楽しくて楽しくて仕方がありませんでした。

 しかし3〜4年もすれば、転勤するのが当たり前の組織です。スポーツのディレクターが在籍している局は東京と大阪だけだったので、それ以外のところに配属されればスポーツから離れ、事件や事故などを追いかけなければなりません。でも、ボクは報道志向が強かったわけではなく、単純に野球が観たい、野球場に行きたいというだけだったので(笑)、正直、報道の仕事にはあまり興味を持てませんでした。

 そして、実際に異動の内示を受けました。その瞬間、自分の中で「プチン」と、何かが切れてしまったのです。これでしばらくは球場に行けなくなる、野球選手のことも追いかけられなくなる……そう思ったら、辞める決断を下すしかありませんでした。

●世の中のレールから降りる人生

 NHKでは3年と4カ月働きました。中学から高校に行くことは当たり前だと思っていましたし、高校から大学に行くことにも何の疑問も抱きませんでした。大学を卒業すれば、就職することが当たり前。まさに“世の中のレール”にずっと乗っかっていた人生です。しかし、そのレールから降りても、誰からも文句を言われない現実にある意味、ショックを受けました。なぜなら極端な話、世の中、お金さえあれば働かなくてもいいってことになってしまうんですから。そんな価値観はそこまでの人生にはあり得なかったし、あの時期は仕事って何のためにするんだろうというようなことばかり考えていました。

 ブラブラした生活を6カ月ほど送りながら、「どこか他の会社に入ろうかな」なんて甘いことを考えていました。でも、自分の好きなことばかりをさせてくれる会社なんてありません。このロジックだと、きっとまた会社を辞めなければならなくなる。そんな悶々とした日々を送っていたときに、NHKの元同僚や他局の知人から「単発でテレビの仕事をしてみないか?」という声をかけてもらいました。貯金も底をついてきていましたし、それならと、フリーの立場で仕事をさせていただくことにしたのです。

 1つの仕事が次の仕事につながって、いつしか食べることには不自由しなくなりました。そして「どこかの会社に就職しなくても、こういう形で生きていく方法があるんだ」と思うようになりました。そこからフリーの生活が始まったのですが、当時はスポーツ情報番組を手掛けるフリーのディレクターがほとんどいませんでしたし、NHKでは原稿も自分で書くのが当たり前でしたから構成作家の仕事もこなすことができました。きっと、隙間を埋める存在として、重宝がられていたんだと思います。

●自分の中で熟成させて、“書く”から“描く”

――石田がイチロー選手に初めて取材したのは、1996年の秋のこと。その年のオリックスは巨人を破り、日本一を手にした。

 イチロー選手の第一印象ですか? 想像していた姿と違って、とてもはじけたキャラだと思いました。大きな声で笑ったり、しゃべりながらの動作が大きかったり、感情の表現がものすごく素直だったり……メディアを通じた印象から、彼は気難しいタイプだと思っていたので、素直でとにかく明るいという実像が意外でした。彼は、一緒にいるとこちらも元気になるようなテンションを持っていました。

 イチロー選手のことを初めて書いたのは、1999年のこと。最初の取材からアウトプットするまで、3年ほどかかりました。それは、ボクの中での熟成期間が必要だったからなのかもしれません。これはイチロー選手に限ったことではなく、桑田真澄さんを取材したときもそうでした。桑田さんとはNHKで働いているときに出会ったのですが、彼のことを書こうと思ったのはそれから7年目のことです。彼は1994年に胴上げ投手となり、MVPを獲得しました。その翌年、発表媒体をとくに決めないまま、彼を追いかけ始めました。しかし桑田さんはシーズン途中でケガをしてその年は投げられず、1996年はリハビリの生活。その間、ボクは桑田さんとかなりの時間を一緒に過ごさせていただきました。

 そして1997年に『桑田真澄 ピッチャーズバイブル』(集英社文庫)という本を世に送り出すことになりました。取材をしたらすぐに書くのではなく、もっともっと自分の中で熟成させて、“書く”から“描く”という次元に昇華させたいというのは、今も変わらずに持ち続けている想いの1つです。

●自分の進むべき“細い道”

 2000年、36歳のボクはイチロー選手を追いかけつつも、2年目の松坂大輔選手や、桑田さんの取材をしていました。取材対象に野球の選手が増えてきて、野球を取材する機会は増えていたのですが、シドニーオリンピックまでは陸上や柔道、他にもラグビーやサッカー、モータースポーツの取材などもしていました。

 いろんなジャンルのスポーツを取材していたのにはワケがありました。NHKのディレクターだったとき、「お前は野球の専門家になるな」「人を描くためには専門家になりすぎてはいけない」と先輩方にアドバイスしてもらってきました。その言葉に納得して取材を続けていたのですが、取材対象者を描こうと思ったら、「自分がそのスポーツを理解していないと、彼らのほんとうの想いは描けない」と感じるようになってきました。

 野球以外のスポーツを取材するときには、スポーツそのものの“勉強”が必要でした。そして一夜漬けで話を聞き、知らないことについては質問し、今思えば知ったかぶりの原稿を書いていたように思います。野球選手には「自分の言葉が届いているな」「相手の言葉が自分の腹に落ちているな」と感じていましたが、野球以外のアスリートの方々に話を聞いても、その言葉を咀嚼(そしゃく)してきちんと原稿に表現できているという手ごたえがありませんでした。やがて野球以外のことを書くことに、“限界”のようなものを感じるようになっていきました。

 シドニーオリンピックが終わり、イチロー選手がメジャーへと挑むことが決まってからは、野球の取材が中心となる生活を送ることになります。結果的には、シドニーが自分の中での区切りとなったのかもしれません。いつしか、ボクは自分が好きな野球だけを追いかけていこうと腹をくくっていました。ボクにとっての36歳というのは、自分の進むべき“細い道”を、見つけることができた年だったように思います。

●ボクが見た1年目のイチロー選手

 そして2001年、イチロー選手はメジャーリーグへの道を選びました。ボクも彼の取材をするために米国と日本を何度も往復したのですが、その渡米に際しては、一切、仕事の約束をしないようにしていました。なぜなら、経費をもらってアウトプットを前提にした取材を引き受けてしまうと、必ず焦りが出て、相手にそれが伝わると思ったからです。メジャー1年目のイチロー選手が自分のことで必死なのは当然だと思っていたし、目先のことを優先するよりも長い目で考えたほうがいいと判断したのです。話をしたくないということであれば聞かなくてもいい……ただ近くで見ているだけでいいと思っていたのです。だから、こちらから何かをお願いするということを、1年目には極力、しなかったと思います。「ボクはイチロー選手を見るんだ、できるだけ近くで見るんだ」――徹底してそういうスタンスを貫きました。

 もちろん、食事に誘ってもらえれば、一緒に行きました。そのときも、野球の話では気が休まらないからと、他愛もない話が多かったように思います。ただ、彼のほうから野球の話をしてくれることはありました。そういうときでも、聞いた話はすぐに書きません。これは今でもそうですが、どの話を書いて、どの話は書くべきではない、という見極めはとても難しいと思います。

 原稿を書かなければいけない……となると、どうしても次から次に質問をしなければなりません。しかしそうなると、選手にしてみれば鬱陶(うっとう)しいと感じることが増えるでしょう。だからボクは、自分の中の義務感を排除しました。事前に原稿を書く約束をして、経費などを負担してもらうと、それが結果的に自分のクビを締めることになるかもしれないと思ったのです。

 すると、1年目のシーズンが終了したその日、イチロー選手の方から「インタビュー、いつやろうか?」と切り出されました。とても驚きましたが、同時に、胸がドキドキと高鳴ったことを今でも覚えています。彼は、ボクが1年間、話を聞こうとせずにただフィールドの姿を見続けようとしていたことを分かってくれていました。

 その成果をまとめたものが、2002年に出版した『イチロー、聖地へ』(文春文庫)という本です。これは、イチロー選手の1年目を総括したのではなく、“ボクが見た1年目のイチロー選手”というところにこだわって描いた作品です。あくまでも、自分が実際に見たこと、聞いたこと、感じたことを綴りたかったのです。

●インタヴュー前の心の準備

 イチロー選手に取材をする前の夜は、気持ちが高ぶります。1時間のインタビューであれば、準備のために、まず6つの小見出しを掲げてノートに書き込みます。そして小見出しごとに5つずつの質問を考えます。インタビューがどのように流れていくのかをイメージしておいて、実際にイチロー選手を前にしたら、ノートは閉じます。あとは彼の言葉に、自分がどのように反応できるのかということだけに意識を置いています。聞きたいことを聞いて、納得できたら、次のことを聞く。質問項目を順番に聞いていくというのではなく、彼のどの言葉に自分が引っ張られるのか、引っ張られたら彼の答が腹に落ちるまで突き詰める、ということに気を遣っています。

 イチロー選手は、質問を最後までしっかりと聞き取ろうとします。今、何を聞かれているのかということを自分なりに把握してから答を探すので、質問の語尾が曖昧(あいまい)になると、聞きたいことからずれた答になってしまうことがあります。だから、質問は語尾までを曖昧にすることなく、正面からぶつけなければなりません。また、彼はたくさんの取材を受けているので、メディアが何を言わせたいのか手にとるように分かっています。なので予定調和のやりとりは成立しませんし、質問のための質問というのは見抜かれてしまいます。その分、聞き手は、本当に自分が聞きたいことは何なのか、ということを事前に反すうしておかなければならないと思います。

 あるとき、ちょっとした行き違いから、お互いがインタビューの日にちを勘違いしていたことがありました。ボクは今日だと思っていたら、イチロー選手は明日だと思っていた。どうしようかと相談したら、彼から「今日は心の準備ができていないので、無理です」という答えが返ってきました。この言葉を聞いたときは、ちょっぴり嬉しかったです。イチロー選手が、インタビューを前に心の準備をしてくれているんだ……と(笑)。

 取材を始めてから16年が経ちましたが、ボクはイチロー選手に対する興味を失っていません。なぜなら彼は、そそられるだけのパフォーマンスを発揮し続けているからです。グラウンドにいる姿を見ていると、いまでも聞きたいことが溢れてきます。自分のプレーを言葉にできるということは、そこに何らかの意図があるから。逆に言うと、意図のない選手は言葉が尽きてくるのかもしれません。イチロー選手は常に意図を持ってプレーしているのが分かるので、話を聞きたくなります。そして聞けば、驚かされる。その繰り返しです。

●マニアックな読者が喜んでくれれば

 NHKを辞めてブラブラした生活を送っていたときに感じていたことは、いまでも心の中に残っています。それは仕事というのは「会社のために」「誰かのために」「楽しみのために」するものではなく、自分と家族が生活するためのものなんだ、ということ――。そこを突き詰めることが、結果的に、世の中に必要とされる仕事や、世の中の人が喜ぶ仕事につながっていくのではないか、と思っています。

 本を書くときに読者のことを考えると、「何を書けば喜んでもらえるのだろうか」というベクトルに向かってしまうことになります。その答を見つけるのは、至難の業です。それよりも、自分が面白かったことや驚いたことを表現する。もちろん「石田って奴は何を書いているんだっ!」という反応もあれば、「石田の書いたものは面白い」という意見もあるでしょう。それでいいと思っているんです。すべての読者を満足させようと思うと、間口を広く、中身も浅くしなければなりません。テレビの仕事をするときにはそういう方法論がありますが、野球専門誌の場合は、自分が興味を持ったものを書き続けていくことが大事だと考えています。その結果、マニアックな読者が喜んでくれれば、こんなに嬉しいことはありません。

 もちろんこれからも、野球場に足を運ぶつもりでいますよ。気になる選手が、たくさんいますからね。(本文・敬称略)

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 民主党は、機能不全に陥っていた「政府と党の政策一元化」を立て直すため、小沢一郎前幹事長が廃止した政策調査会(政調)を9カ月ぶりに復活させ、新組織に衣替えする機構改革に着手した。政府と党で政策ごとの部門会議を共催し、双方の責任で党側議員の意見を聞く案などが浮上している。【小山由宇】

 「かつての政調復活ではない。政府・与党一元化の下で政調を新しく作る」。玄葉光一郎政調会長は7日の就任記者会見で強調した。玄葉氏は小沢幹事長時代に政調復活を求め活動をした一人で「政調再建」に力が入る。

 民主党は野党時代から、自民党政権の政務調査会について「族議員が政府案を事前承認する仕組みにより、政策決定の二元化が起きている」と批判。政調会長が官房長官などを兼ねて「一元化」する仕組みを提案していた。

 ところが、民主党の政権獲得後、小沢氏のもとでの「政策一元化」は実際には「政府は政府、党は党」と互いが断絶する結果になった。政府主催の「政策会議」が設置されたが、党側議員の意見が政策に反映されることは少なく、ほとんど機能しなかった。

 今回、玄葉氏が閣僚(公務員制度改革・少子化担当相)を兼務したことで、党の意思を玄葉氏を通じて閣議に反映させるシステムができた。ただ、初めての試みだけに、党内からも「政調復活で自民党のように族議員ができてしまうのでは」という懸念も出ている。玄葉氏は「1年生議員も含めて政策活動ができる党にしたい。(族議員ではなく)専門議員を作る」と語った。族議員を生まないための陳情システムの改善も今後、検討していく方針だ。

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 茨城県立土浦湖北高校(土浦市菅谷町、荒野一郎校長)で27日、女子バレーボール部顧問の男性教諭(42)が、部活動の指導中に2年生の女子生徒にひざげりの暴行を加え、鼻を骨折する重傷を負わせていたことが31日、分かった。

 同校は28日、けがをした女子生徒とは別の部員の保護者から連絡を受け、暴行の事実を把握。荒野校長が30日、女子生徒宅を訪れ謝罪した。

 男性教諭は3年生の担任で国語を担当。塙保教頭によると男性教諭は「大変申し訳ないことをしてしまった」と反省しているという。

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 乗組員の居眠りが原因の船舶事故が多発していることから、運輸安全委員会は28日、来年発効する条約で居眠り防止装置の設置が義務づけられていない総トン数500トン未満の船舶についても、国内規定で設置を義務化するよう求める意見書を前原誠司国土交通相に提出した。

 運輸安全委が平成16年1月〜今年3月に発生した事故のうち、5167件を分析したところ、居眠りが原因とみられるのは約10%の497件あった。居眠り事故による死者・行方不明者は13人に上り、92人が負傷。船や橋が損壊するだけでなく、燃料の油やガスが漏れ出して周辺の船や航空機の運航に支障が出るケースもあった。

 こうした居眠り事故を起こした船の96%が500トン未満の漁船や貨物船で、1人で当直時、自動操(そう)舵(だ)にして眠ってしまう例がほとんどだった。

 船員の居眠りによる事故は世界的に多発しており、国際海事機関(IMO)は昨年6月、海上人命安全条約を改正し、来年7月から防止装置の設置を義務づけるが、500トン未満の内航船や漁船などについては各国の裁量に委ねられることになっている。

 居眠り防止装置は操舵室内に取り付け、警告音で居眠りを防止する。

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【風】ワクチン争奪戦の“後遺症”(産経新聞)

 「インフル騒動」の象徴ともいえるのが、ワクチン。生産が昨年秋の感染のピーク時に間に合わず、大幅に不足したかと思えば、年明け以降は感染者が急減し、大量にだぶつく事態となった。

 ワクチンメーカーが4社しかない日本では当初、供給不足が予測され、接種の優先順位がつけられた。診察にあたる医師らは10月中旬▽妊婦や重い持病の患者は11月▽高齢者は今年1月−などと定められた。

 冬場の流行期を前に、ワクチン不足を心配する声が高まり、鳥取県内の病院では昨年11月、医師らに限定されていたワクチンを病院職員の孫らに接種していたことが発覚。「身内優遇だ」と批判が集中した。

 「新型のワクチンはまだ病院になく、とりあえず季節性インフルエンザのワクチンを10月ごろに打ってもらった」と話すのは、84歳になる筆者の父親。年が明けて新型ワクチンの接種を医師から勧められたが、「すでに周りはだれもマスクをしていなかったし、今さらいいかと考えて」接種を受けなかったという。

 厚生労働省によると、国産ワクチン5400万回分のうち、在庫は2月現在で3110万回分。輸入ワクチンは5300万回分のうち、出荷されたのは、流行がほぼ収束した3月になってもわずか約4千回分で、国産と輸入分で計約8410万回分が余っている。

 接種回数が当初予定の2回から原則1回になったこともあるが、結果論とはいえ、果たして輸入まで必要だったのかという疑問は大いに残った。

 「日本は、世界中からワクチンを買い占めたと言われかねない」と指摘するのは、大阪大医学部の朝野(ともの)和典・感染制御部教授。「先進国と発展途上国で医療体制に差があり、同じウイルスでも致死率は国によって大きく異なる。途上国では病院で治療を受けることすら難しく、そういう国にこそワクチンは必要」と強調する。

 国を挙げて確保に走った「ワクチン争奪戦」は、今や昔話に。だが、「あのときワクチンがあれば…」「残った在庫を何とかして」という声はなお残り、患者や医師らを振り回し続けた争奪戦の“後遺症”は、今も続いている。(秋)

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ユズやスダチを試験栽培=気候変動、温暖化に対抗−「生産作物広げる狙い」・山形(時事通信)

 サクランボの生産量日本一を誇る山形県は、温暖な地域を産地とするユズやスダチなど、かんきつ類を試験的に栽培している。最近の気候変動の激しさや地球温暖化に備えたもので、県農林水産部は「特産のサクランボやリンゴを守るだけでは今後やっていけない。生産できる作物の幅を広げる狙いがある」としている。
 県は4月上旬、寒河江市内の園芸試験場にユズ、スダチ、カボスの苗を5本ずつ植えた。耐寒性がないものも多いかんきつ類だが、比較的寒さに強い種類の苗を選んだという。同試験場の佐藤康一研究員(52)は「どれだけの大きさ、量、質の果実が取れるかは全くの未知数だ」としながらも期待を寄せる。花が咲くまでに3年、作物として生産できるか見極めまでには5年程度必要だ。
 同県酒田市では4年前から、徳島特産のサツマイモ「鳴門金時」と同系統の品種の栽培を開始。現在では県外向けに出荷するほど生産量を伸ばした。
 JAそでうら(同市)営農販売部の五十嵐正義さん(40)は「しっかりした甘さもあり、品質も四国のものに劣らない」と自信を見せる。県農林水産部は「過去にも全く作れなかったわけではないが、少しずつ暖かい気候になったことで品質向上と収穫増につながっている」と分析している。 

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 宮崎県の畜産農家で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」感染の疑いが強い牛が相次いでいる問題で、赤松広隆農相は23日の閣議後会見で、牛の移動・搬出制限区域内の農家に対する融資枠の拡大などの支援策を発表した。また1例目のウイルスが、4月に韓国で発生したケースと同じO型だったことを明らかにした。

 当面の資金対策として、家畜疾病経営維持資金の融資枠を現行の20億円から100億円に拡大する。さらに出荷時期を超えた家畜の処理や避難用畜舎の費用助成なども支援策に盛り込んだ。【佐藤浩】

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【Web】プラスネットで新ラジオ(産経新聞)

 ■「ツイッター」でつぶやける/「動画サイト」で“見る”番組

 メディアが多様化する中、ネットと連動してリスナーをひきつけようとするラジオの試みが注目を集めている。今月スタートしたTBSラジオの新番組「〜ニュース探究ラジオ〜Dig」(月〜金曜日、午後10時)は、生放送中にミニブログ「ツイッター」や動画サイトを駆使するなど、これまでにない番組作りが人気。民放13社が試験的に行っている番組のネット配信も好調だ。(猪谷千香)

 4月6日、東京・赤坂のTBSラジオ。午後10時にスタートしたニュース番組「Dig」のスタジオに、原口一博総務相が姿を現した。火曜日の司会を担当するのは、ジャーナリストの神保哲生さん。民主党政権や携帯電話のSIMロック解除について、ゲストである総務相に疑問をぶつけ、熱い議論が展開された。

 ここまでは、通常のニュース番組でもみられる光景だが、「Dig」では生放送中にツイッターで質問や意見を募集。「原口大臣にはラジオの復活の手助けをしてほしい」など、続々と寄せられるユーザーのコメントを読み上げていった。ツイッターを利用している原口総務相も、自ら携帯電話でチェックしながら、「ラジオとツイッターは親和性が高い」と話した。

 ツイッターだけではない。神保さんはこの日、スタジオにカメラを設置し、動画サイト「ユーストリーム」と「ニコニコ動画」で映像も同時配信。「カリフォルニア、サンノゼから見ています」「ラジオ放送を見られるなんて面白い」「これはラジオ革命だ」など、ネットユーザーからも好評だった。

 「今あるものを使って、良い番組を作りたい」と話す鳥山穣プロデューサー。「若い人たちは家にラジオがない人も多い。少しでも触れてもらえるチャンスになれば」と、ネットをきっかけとしたリスナーの拡大を目指している。

 ◆13社同時に聴ける

 リスナー離れが指摘されているラジオだが、こうしたネットでの試みは広がっている。3月15日に始まった「radiko.jp(ラジコ)」のサイトでは、東京と大阪の民放13社の番組を同時放送で聴くことが可能。アクセスできるエリアは関東では4都県、関西では4府県で、開始から1週間の総ストリーム数は523万、総ページビューは4710万にのぼった。

 「予想以上のアクセス数」と話すのは、ラジコを運営するIPサイマルラジオ協議会の宮沢由毅事務局長。都市部では、高層建築などが原因でラジオの聴取環境が悪化、安定的に番組をリスナーに届けるための試みだ。

 また、「ラジオのコンテンツ力には自信があるが、ラジオを新たに買っていただくのは難しい。パソコンなどで受信できれば、ラジオ業界の底上げにつながる」との狙いも。一般的にラジオは午前10時にリスナーが増えるが、ラジコは午後10時台にアクセスが増加する傾向にあり、「ネットユーザーがメーンのリスナーになっている」と宮沢事務局長は分析する。

 ラジコは8月31日までの期間限定。今後、番組で使用されるコンテンツの権利者とルール作りを行った上で実用化を目指すという。

                   ◇

 ≪Q:ラジオ聴かない理由≫

 ■半数が「興味がない」

 リスナーのラジオ離れの理由は−。ラジオを聴かないと答えた人(62・3%)のうち、「興味がない」が52・7%で最多。次いで「機器を持っていない」が28・5%、「テレビやネットの方が面白い」が25・7%だった。

 また、ラジオ放送がネットで聴ける「ラジコ」を使ったことがあると答えた人(6・5%)に、ラジオを聴く機会が増えると思うかと質問したところ、「非常に増える」が43・6%、「やや増える」が32・1%で、期待感が大きかった。

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<茨城空港>スカイマーク節減案、国交省の許可下りず(毎日新聞)

 茨城空港(茨城県小美玉市)に16日から就航するスカイマーク(本社・東京)の神戸定期便について、同空港に事務所を置かず、整備士を常駐させない経費削減案がいまだに国土交通省から許可されていない。神戸便は、経費削減案を前提に、21日前までに予約すれば「片道5800円」という超格安価格となっている。整備士を常駐させることになれば大幅なコスト増は必至で、同社に痛手となりそうだ。

 経費削減案は、神戸からの便に同乗した整備士や乗務員が茨城空港で機体整備やチェックイン業務にあたった後、また神戸に戻る内容で、同社にとって初の試み。整備に必要な機材も神戸から一緒に運ぶ。

 同空港は出発・到着ロビーを1階に集中させ、航空会社にとって人員削減をしやすい設計。格安航空会社(LCC)対応の拠点空港を目指す茨城県も同案を推進してきた。しかし同社は、管制官の指示より高い高度を飛行するなどトラブルが相次ぎ、今月6日に国交省から業務改善勧告を受けたばかりで、調整は難航している模様だ。

 同社営業推進部は「16日ギリギリまで(国交省と)調整したい」としているが、許可されなくても就航に支障がないよう、周辺空港から茨城空港に整備士の応援をもらう準備を進めている。【鈴木敬子】

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阿久根市、やっと元係長に給与220万円振り込み(読売新聞)

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)が懲戒免職処分にした元係長の男性(45)への未払い給与の支給を拒否している問題で、市に対する債権差し押さえ(強制執行)を地裁川内支部に申し立てていた男性側に7日までに、給与など約220万円が振り込まれたことがわかった。

 男性を支援する自治労県本部によると、振り込まれたのは昨年10月から今年2月までの給与など。男性側は市指定金融機関の貯金口座を差し押さえ対象として、強制執行の手続きをした。同支部から差し押さえ命令を受けた金融機関は、同口座にあった約220万円を鹿児島地方法務局川内支局に供託。6日に男性の口座に振り込まれた。

 男性は昨年7月末、市長が庁舎に掲示した職員人件費の張り紙をはがしたなどとして、懲戒免職処分になった。男性の訴えを受け、鹿児島地裁は同10月に処分の効力を停止し、福岡高裁宮崎支部も地裁決定を支持した。しかし、市長は男性の復職や給与支払いを拒み続けたため、男性側は未払い給与の支給を求めて鹿児島地裁に提訴。同地裁は3月、仮執行宣言付きで支払いを命じたが、それでも市が支払っていなかった。

 男性は「市が強制執行の末にようやく支払ったという状況を残念に思う」と語った。

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